【えりのブレサン日記】Vol.29 Believe

文=木村英里、写真=オガワブンゴ

【えりのブレサン日記】は、川崎ブレイブサンダースが好きすぎるあまり、あくまでも勝手に!木村英里が川崎ブレイブサンダー愛を綴るコラムです。
 
 
正直なところ・・・ここに来て、これほどモヤモヤっとした気持ち、戸惑いを感じてしまうことになるとは思っていませんでした。

新潟アルビレックスBBを迎えた2戦、連敗した川崎ブレイブサンダース。GAME1から振り返っていきます。

2019年4月13日 GAME1

2点・・・
その差はなんだったのでしょうか。

勝てば中地区優勝が決まる新潟アルビレックスBBをホームに迎えた川崎ブレイブサンダース。
逆転地区優勝の可能性が残っている限り、全員が、もちろんファミリーも信じて応援し続けました。

迎えた天王山。連勝し新潟の勢いを止めたかった・・・GAME1、痺れる接戦の中で最大7点のリードを奪いながら、最後の最後で敗れた川崎。

何が悔しいって、ただ負けたからではない、ただ優勝できなかったからではない、直接対決に敗れ優勝を献上し目の前で優勝セレモニーを見せつけられたことですね。そして、ここは川崎のホーム。また一つ、絶対忘れないと思う悔しいシーンが増えました。でも、悔しいことを糧にまた強くなってくれればいい!だって、まだ終わってないのですから。

試合後、アウェー庄司和広HC、ホーム北卓也HC、そして五十嵐圭選手の順で会見が行われました。
悔しい気持ちを消化しながら会見場へ向かったのですが、新潟から多くの取材の方がいらっしゃっていて会見場で喜ばれているお姿を見れば、また悔しい気持ちが蘇り・・・さらには庄司HCと五十嵐選手がチャンピオンTシャツでご登場されれば、またまた悔しいなと思い、悔しさの三重奏でした(苦笑)こうしてファンのメンタルも強くなる・・・鍛えられるのでしょう。

今シーズン、積み上げられたもの

新潟アルビレックスBBというチームは本当に素晴らしかったと思います。シーズンを通して、何度も驚かされましたし感心させられました。
そして今回、庄司HCと五十嵐選手のお話を伺い、川崎との差が見えました。

前節の富山戦で退場処分となった柏木真介選手が不在だったことについて語られた時、富山戦で、「チームが違う方向にむいてしまったところがあった。(富山戦の)ハーフタイムで何のためにプレーをしているのか。自分のエゴのためなのか、50試合以上やってきて最後をどこにフォーカスするのかという話をした時に、みんなが顔をしっかり上げて聞いていた。」と振り返られ、「今日も同じ話で、自分たちの目標を達成するために何をしなきゃいけないのか、何を努力しなきゃいけないのか。プレイヤー全員が同じページで戦おう。」そう選手に声を掛けられたそうです。チームスポーツだから、当たり前のことのように感じますが、そこが誰一人少しもブレることなく挑む勝負際の強さ。
結果として「ベンチのムードも良かった。」とおっしゃられた通り、最後の最後まで勝利すること、優勝できることを誰一人信じて疑っていなかった新潟。勝者のメンタリティーだなと思いました。

五十嵐選手は「シーズンを通してリードされる展開も、これまでたくさんあった。その中で、徐々に離されても我慢強くプレーを続けていくことができた。終盤戦に入ってからは、リードされても自分たちの流れが来た時、相手に流れを与えないように、自分たちの流れをキープできるように、コントロールできるようになった。」だからこそGAME1でも「逆転ができたところでしっかりとボールをコントロールできた。」と振り返っていらっしゃいました。

GAME1終了後の会見、少し力ないお声で語られる北HCを見て切なさが募りました。そんな北HCも会見でゲームのコントロールについてお話をされていました。

自分たちのペースで進めていたはずのゲーム。
「勝っている時点でのコントロール。7点差あるところで、(新潟に)3ポイントシュートを連続で決められていた。勝っているのにギャンブルをしに行った。そういうところが、まだまだコーチングが足りないのかな・・・と。点差と得点を見ながら勝っている状況で、ゲームを展開していかなくてはいけない。篠山(竜青選手)と藤井(祐眞選手)が出ていた時なので、そういう時こそしっかりとコントロールして、何をやられたくないのか誰にシュートを打たせていいのか、そういうところがはっきりすれば良かったと思う。」そんな風に悔しさを噛み締めながら語った北HC。



確かに、コントロールするという点において、庄司HCの下、五十嵐選手や柏木選手らベテラン選手が中心となり、チームが不安を感じないように、迷わないように、目標をブレさせないように、そんなゲームの流れだけでなく精神的な部分においても新潟はきちんとコントロールができていたわけです。川崎とのほんのわずかな差。コーチ陣や選手もまだまだ上を目指すために努力を続けるのなら、ファンは信じて応援するだけですよね。

勝負際、最後の最後、川崎は焦りも出てしまいましたよね。リバウンドが取れなかったり、シュートで終われなかったり、新潟は川崎の弱い部分を付いてきていました。点差として、わずか2点での敗戦。78−80。その2点の中には、レギュラーシーズンここまで戦ってきた中で積み上げてきた自信の差、勝ちグセの差、自分たちを信じる気持ちの差、そんなものも現れた2点だったように思います。たった2点。されど2点。

しかし、その差が埋められないわけではありません。チャンピオンシップからは、また別の戦いが始まります。
新潟は初めて挑むチャンピオンシップ。
でも川崎は3年連続です。ホームで開催できないことも昨シーズン経験済み。
経験って、選手やチームだけに言えることではないですよね。ファンとして、黄色の大応援と歓声に圧倒されたBリーグ初年度決勝。
あの悔しさを経験していることが、私自身、かなりのバネになっていると日々感じています。そして、昨シーズンのクォーターファイナル、あの悔しさがあったからこそ、アウェーだったはずの川崎が船橋アリーナを圧倒した瞬間が生まれたわけです。
そう、伝説の「KAWASAKIコール」!試合後、何人の千葉ジェッツファンの方から「あのシーンはすごかった!」と言っていただけたか。あの経験があるから大丈夫!アウェーでのチャンピオンシップ、乗り込んでいきましょう!挑戦者のメンタリティーなら、もう私たちファンにも備わっていますからね。3シーズンで培ってきた「KAWASAKIコール」で、一致団結・一家団結、応援しなくっちゃ!

そう強く思ったのです・・・GAME1の帰り道・・・

2019年4月14日 GAME2

とにかく悔しい敗戦を喫し、さらに目の前で優勝セレモニーを見せつけられた翌日ですから、ショックもあったでしょう。だからこそ、そういう翌日だからこそ、私個人としては、「勝ちにこだわる姿勢」とか「これぞ川崎」というものを見せてくれたらいいなと思っていました。

試合が始まってみると、迷い?戸惑い?そんなものを感じたのは私だけではないはず。前日のショックを引きずっていることもわかりました。みなちょっと違う方向を見ていたりバラついていましたよね。ファンは不安になってしまいます。

試合後、ニック選手は「恥ずかしい」という言葉を口にしていました。優勝できなかったこと、そしてこのようなゲームをしてしまったこと。
川崎ブレイブサンダースというチームは優勝を目指すチーム。ただの強いチームではない。ニック選手の言葉の裏には、川崎の伝統と誇り、そして忘れてはならないもの、その全てに対する強い気持ちがあります。ニック選手だけではありませんが、川崎の選手が背負う期待や重圧、それらは計り知れないものです。でも、それが川崎のユニフォームを着るということ、川崎の選手である宿命であり、川崎プライドなのです。

今、この日記を綴りながら私も悩みの中。どこまで書くべきか、何を書くべきか、書かざるべきか。
ただ私には、本当に一家団結していたのは新潟のように見えました。

今言いたいことはただ一つ、「信じている」ということだけです。
チャンピオンシップは2週間後。頭に浮かぶのは昨日、GAME1終了後に庄司HCがおっしゃった言葉です。

「何のためにプレーをしているのか。自分のエゴのためなのか、50試合以上やってきて最後をどこにフォーカスするのか。自分たちの目標を達成するために何をしなきゃいけないのか、何を努力しなきゃいけないのか。プレイヤー全員が同じページで戦おう。」

やるしかないのです。自分たちで迷いを払拭するしかないのです。自分たちが信じるしかないのです。どうか下を向かないで、今一度気合を入れ直しましょう!ピンチはチャンス!本当に一つになって一家団結。他のチームにお株を奪われてどうするのです!

次節、レギュラーシーズン最終戦、シーホース三河はワイルドカードをかけ全力で挑んでくるでしょう。川崎は、チャンピオンシップに繋がる試合にしなければ。

川崎ブレイブサンダースは、ただでは終わらない。ここで倒れるチームではないということを私たちは知っています。
川崎コーチ陣が、またより強いチームへと導いてくださるはず。

長いシーズン、支えてくれる、応援してくれる全ての人のために、苦しくても乗り越えて私たちに見せてください。目標のために戦う川崎の選手たちのかっこよさ、素晴らしさを。私たちファンは一緒にもがき苦しみますよね。

そのために、キャプテンを先頭にまとまり直すことが大事。きっと我らがキャプテンを中心に今頃、しっかり向き合っているでしょう。私たちにできることは、ありきたりだけれど信じて応援すること。ただそれだけなんです。でも、それができることがファンの幸せなんです。

そして、キーマンはあなただと思いますよ。真のエース、ニック・ファジーカス選手!進撃のニック・・・見せてください。

改めて「新潟アルビレックスBB」さん、おめでとう!!

五十嵐選手が会見中に語った、「みなさん、新潟には期待していなかったと思うので(笑)そういう部分では、期待を覆すことができてよかった。ベテラン選手が多い中で、勝てないのではないか・・・今まで2シーズン全くノーマークと思われていたと思う。」そんなハングリー精神が土台となり、徐々に手応えを感じながら成長し「勝ちグセを付けられるようになった」からこそ、中地区優勝に辿り着いた新潟。そんなお話を伺っていれば、チーム一丸、一つに着実に成長を遂げてきたのだなということがわかりますよね。新潟の強さの秘密。一つになっていました。ブレていない、みんが同じ方向をしっかり見据えています。だからこそライバルながら素直に優勝おめでとうと思いました。

ちなみに五十嵐選手にとってはキャリア初の優勝なんだそうです。ちょっと意外。でも「素直に嬉しい」と喜びつつも「これが最終的な目標ではないと、すぐ気持ちも切り替わった。」と冷静に次の目標に目を向けていらっしゃいました。
日記の序盤にも書きましたが、リーグ戦はまだ終わっていません。チャンピオンシップで優勝することが目標、その夢のために今できることをするだけなんですよね。

川崎も新潟も、思いっきりチャンピオンシップに挑んでほしい!今、心からそう思っています。


 
 
「Believe!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 
 

川崎ブレイブサンダース
《クラブ》力強くスピード感あふれるプレーで、最後まであきらめず勇敢に戦う戦士達を意味しています。
《ホームタウン》神奈川県川崎市
https://kawasaki-bravethunders.com/

木村英里 Eri Kimura
バスケの魅力にハマったフリーアナウンサー。テレビ静岡・WOWOWを経て現在はラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。川崎ブレイブサンダースファン。
twitter:@kimuraeri / Instagram:@39elly39

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