【えりのブレサン日記】Vol.20 北卓也HCが語ります!前編

文=木村英里、写真=オガワブンゴ

【えりのブレサン日記】は、川崎ブレイブサンダースが好きすぎるあまり、あくまでも勝手に!木村英里が川崎ブレイブサンダー愛を綴るコラムです。

中断明けも、もうまもなく。
そんな中、2019年2月26日(火)、練習終わりの体育館へお邪魔して北卓也HCにお話を伺ってきました。
今シーズン、これまでの試合の振り返りや、代表戦、理想とするHC像など、様々なテーマで、時に真面目に時に楽しく語ってくださいました。

苦しんだシーズン序盤、代表不在、HCとして学んでいること

「40試合を終わって・・・思ったより上手くいっていないゲームがあったかなと」そう語り始めた北HC。
「特に勝負所で落としているゲームが何試合か。リーグの序盤はニックの怪我から始まってスタートが遅れましたが、
そこから上手くいったかなと思ったら色々な状況が出てきて。上手くいったりいかなかったり、その中で対応してきて・・・というところですかね。」

優勝候補筆頭、ニック・ファジーカス選手が帰化したことで圧倒的優位と言われた開幕前。
しかし北HCのおっしゃったようにシーズン序盤、なかなか勝てず連敗が続いた時もありましたよね。
その頃のこと、今だから言える本音を伺ってみました。
「キツイというか、練習しないとだめだなと。水曜ゲームもあって連戦で、ニックの足の状態が完璧ではなく試合だけ出しているという状況だったので、やはりチームスポーツは練習しないとコンビネーションなどが取れないなと改めてわかりました。」
練習が大切という、基本的な所を改めて気付かされたという今シーズン。
これまで40試合を戦ってきました。その中で、きっかけになった試合については、琉球戦を挙げられました。
「4連敗した時、琉球ゴールデンキングスとの1戦目に負けて。
1Q20点差くらいで負けていた中、練習もしていない“オンザコート3”をやったら追いついてきて・・・ということがあって。
2戦目、ニックにスタメンで行くよ!という話をして。そこで勝ったことが一つ、これから練習もできるし上手くいくかなと思った試合かな。」
そう振り返られました。
ニック・ファジーカス選手はやっぱりスタメンの方が気持ちが良いと話していましたが、そんなエースの調子やテンションはまさにチームの調子に比例しますよね。

HCとして2011年から川崎ブレイブサンダースを指揮している北HCでも、今シーズンは新たに学ぶことが多いそうです。

「代表組も合宿などで不在になり、まとまった練習がなかなかできず、合わせとかちょっとした所でズレが生まれてしまうので。改めてその難しさを感じながら、どう対応していくかHCにとってもかなり勉強になっています。」
開幕前の代表組が不在の時、5対5の練習ができなかったことから「11月の代表活動の時からは、5対5の練習ができるように学生にお願いしたということがありました。」と明かしてくれました。
5対5ができるのとできないのとでは大違い。強豪チームにとって、代表を多く抱えることは仕方のないこと、嬉しい悲鳴ですよね。

中断期間は原点に返る

今シーズンは、「勝負所」「メンタル」という言葉を頻繁に北HCの口から耳にしますがそのキーワードについて。
「今シーズン、競り負けている時は何かしらそこの所が、相手の方が優れていますから。一つのポゼッションを与えないということが大事ですし、最後をシュートで終わるとか。さらに上位のチームはいいシュートで終わって、一つのリバウンドだったり、ボールを大切にしたり、ボールを自分たちのものにする気迫だったり、そういう所の差だと思います」
だからこそ、この中断期間をどう過ごしたか、改善できているのか気になります。
代表組がワールドカップ出場を決め、嬉しいバスケのニュースが紙面を踊る、メディアで取り上げられるという機会が増える、我らがキャプテンのミラクルスリーも生まれた中、チームではどんな取り組みをしていたのでしょうか。
「もう一度、原点に返ることをしました。オフェンスならボールマンにスペースを与えるとか、ディフェンスならボールを守るとか。オフェンスもディフェンスも、単純な所、当たり前な所を当たり前にできていなかったので、基本的な所を練習しました。」
原点に立ち返った川崎の選手たち。今後の試合では「勝負所」どう戦うのか、どんな変化が現れるのか注目しましょう。

また、メンタルを鍛える方法、練習などについて、北HCは面白い経験談を聞かせてくださいました。
「選手時代には、優勝した時のイメージを絵に描いたり、ACの頃には自衛隊が行っていた研修に参加したこともありますし、HCの時には合気道で心身統一を学びました。」
この先、トレーニングする予定について伺ってみると「必要ならば、やらなければと思いますが・・・プロ選手ですからね。」
確かにその通りですね。メンタルが少しでも弱いと感じたら自分で克服をしなければいけないのがプロ選手の宿命ですよね。
それにしても自衛隊の訓練に参加したことがあったとは驚きでした。メンタル以外の部分も相当鍛えられそうですね。

今シーズンのキーマン

私は、辻直人選手が怪我で戦列を離れていた時、誰が伸びるかというのも注目していました。
北HCの目にはどう映っていたのでしょうか。「藤井(祐眞選手)がいてくれるのでカバーは全面的にできていました。それ以外の所で得点をとらなければいけないので、長谷川(技選手)がどれだけ得点に絡めるのかも見ていました。林(翔太郎選手)や青木(保憲選手)を出したりして、辻の不在をみんなで少しずつ埋めていこうと。頑張って表現してくれた試合もありましたし。HCとしては、いない選手は仕方ないので、いる選手を思いっきり使うじゃないですか。迷うことなく使うので、ある意味思いきった采配ができます。」
主力のプレータイムを30分程度で抑えたいというお考えの元、必然的に林選手や青木選手のプレータイムは増えてきましたよね。
その経験は間違いなく今後の大きな糧となるでしょうし、ヒーローインタビューを受けた試合もあったりして自信も付いたはず。

そして「HCの役割として若手選手が『自分の実力で出ていると勘違いさせないこと』だと思っています。勘違いしてしまうと、危機感無くプレーしてしまうので、そこは意識しています。」とも語られた北HC。主力選手不在の穴を埋めるだけでなく、常日頃競争し合い、チームの底上げを。特別指定選手として仲間に加わっていた増田啓介選手の存在も、かなり刺激になったはず。これからもいい意味で切磋琢磨、競い合って成長していく姿を見せて欲しいですね。

では、今シーズンここまで戦ってきて、キーマンとなった選手や特に変化が見られた選手は誰なのでしょうか。
「長谷川はリーダーシップが出てきたという気がしています。代表組が不在の時は、声を出して引っ張ってくれています。天皇杯の予選では、積極的にボールハンドラーになってくれたり。長谷川や藤井は言わなくても、自分がやらなきゃと頑張ってくれますね。」
天皇杯予選、岩手で行われた三遠ネオフェニックス戦。よく勝ってくれた〜と嬉しかったことを今でも覚えています。先日、MCをさせていただいたトークショーでも長谷川選手や藤井選手がトークを引っ張ってくれました。コート内外で、年長の選手たちのリーダーシップを見ることができるようになっています。

さて北HCとの対談。
この続きは、また明日、渋谷戦直前にアップします!後編では北HCの素顔が垣間見えるかも?お楽しみに。

川崎ブレイブサンダース
《クラブ》力強くスピード感あふれるプレーで、最後まであきらめず勇敢に戦う戦士達を意味しています。
《ホームタウン》神奈川県川崎市
https://kawasaki-bravethunders.com/

北卓也 Takuya Kita
羽咋高校(石川県)〜拓殖大学〜東芝ブレイブサンダース(1995-2008)〜東芝ブレイブサンダース アシスタントコーチ(2008-2011)〜東芝ブレイブサンダース ヘッドコーチ(2011-)〜川崎ブレイブサンダース ヘッドコーチ(2016-)
https://kawasaki-bravethunders.com/team/staffs/kita_t/

木村英里 Eri Kimura
バスケの魅力にハマったフリーアナウンサー。テレビ静岡・WOWOWを経て現在はラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。川崎ブレイブサンダースファン。
twitter:@kimuraeri / Instagram:@39elly39

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